第1種放射線取扱主任者どうやって勉強する?
こんにちは!
今回は放射線技術系の学生の多くが聞いたことはあるであろう第1種放射線取扱主任者の勉強法について書いていきたいと思います。
はじめに、今回紹介する勉強法は「1週間で合格した!」「最速合格術!」といった類のものではないので、そういったものをお探しの場合にはあまり参考にならないかもしれません。
「けっこう時間に余裕あるし、国試のためにも少し腰を据えて勉強してみようかな」という方にオススメの方法です。
まずは、ある程度の信頼を獲得するためにもどの程度の期間で、どの程度の点数を取ったかを示します。
試験に向けた勉強を開始したのは受験年度の6月中旬からの約2ヶ月程度です。
7月の多くは大学生らしくテスト勉強があったので少し試験向けの勉強からは離れましたが、範囲が被っている部分もあり、一応勉強期間としてカウントしました。
私は平成30年の試験を受験しました。
現在は少々科目に変更がありますが、昨年受験した友人から聞く限りはほぼ同じような勉強で問題ないようです。
しかし、試験の時間や形式は変化しているのでしっかりと確認しておきましょう。
受験した年の点数は以下の通りです(あくまで正答率ですのでこのまま点数とは限りません)
物化生:98/117(84%)
物理:29/30(97%)
化学:24/30(80%)
管理測定技術:86/114(75%)
生物学:23/30(77%)
法令:30/30(100%)
総合:85.4%
まあまあですね笑
特に管理測定技術はノーマークだった範囲が出題されてしまったので大問1つほぼほぼ落としてしまっています笑
ついでに過去問の点数推移も載せておきます。
自分の点数と比較して、勉強期間を短縮するなり延長するなりしてもらえればと思います。
では、実際にどのように勉強したかをまとめていきます。
今回紹介する方法は基本的に学生向けです。働きながら勉強される方は同じ期間でやり切るのは難しいと思いますが、参考になれば幸いです。
1.放射線概論を通読する
2.過去問を解き、見直しをする
「いや、当たり前じゃん笑」という声が聞こえてきそうですが、その通りです笑
特別変わったことはしていませんし、これが合格への最速ルートだとも思いません。
きっとギリギリを狙うのであれば、もう少し簡単な方法もあると思いますが、しっかりと理解したいという方にはおすすめです。
詳しく説明していきます。
1.放射線概論の通読
ネットで「第1種放射線取扱主任者」と調べれば、必ずオススメされている放射線概論(通商産業研究社)です。
法令の改正などがあるので、最新版を買った方がいいと思います。
すでに法改正が反映された最新版が出版されているようです。
(http://www.tsken.com/menu.htm)
個人的にはこの解説が一番わかりやすいというわけではありませんが、出題される内容が網羅されているので一読することをオススメします。
この本だけで全て理解していくということはなかなか難しいと思うので、よく分からないところは付箋でもつけて飛ばし読みしていきましょう。
この放射線概論は各科目に演習問題もついています。これもあまり悩まず、よく分からなかったら答えを見て確認する程度でいいと思います。
結局このあとで過去問を解くので、だいたいは簡単な知識の確認程度で良いです。
しかし、法令の演習問題は試験で問われがちな微妙な言葉の違いを覚える上でとても役に立つので何度か繰り返し解いてみると良いと思います!
放射線概論が難しすぎて読み進められない!という方はより簡単にまとめられた以下の参考書を使っても良いと思います。
2.過去問演習
過去問自体は原子力技術センターのウェブサイトからダウンロード可能です。
解説はついていないので先程の放射線概論を出版している通商産業研究社の過去問題集を使用すれば良いと思います。
受験時には使用していませんが、科目別、項目別にまとめられた以下の参考書も使いやすそうだと思いました。
追記:
日本アイソトープ協会のホームページで直近4年分の解説が見られるようです。
主任者試験問題と解答例 | 公益社団法人日本アイソトープ協会|JRIA
お金をかけたくない方はこれだけでもいいかも笑?
放射線概論→過去問演習のゴールドスタンダードです笑
やはり過去問演習が非常に重要となります。
同じような問題も出題されますし、解き始めて数回は時間がギリギリになる場合もあるかもしれません。本番のつもりで解いてみましょう。
当たり前ですが、過去問演習は解くことではなく復習が非常に重要です!
復習をしっかりすることはもちろん知識の定着にも役に立ちますが、それだけでなく密度の濃い勉強ができます。
どういうことかというと、1つの問題の各選択肢に対して1つずつなぜ合っているのか、なぜ間違っているのかを理解していくことで周辺知識がつき、少ない問題数でも体系的な知識をつけることができます。
個人的な意見ですが、復習をさらっとやって同じ問題を何度も解くメリットは少ないと思います。
運良く合格はできるかもしれませんが、知識は身につきません。何年分解いても同じです。
せっかく勉強するのだから定着する知識を増やさないともったいないという考え方です。
ここまで説明してきた内容は正直大したことないと思います笑
非常にスタンダードな方法なのでしょうがないですよね笑
これだけでは、ここまで読んできた意味がないと思われるので各科目でどのように勉強を進めていくかについてさらっと紹介したいと思います。
物理学
個人的には物理学が全科目の中で最も理解と復習が必要となる科目です。
問題を解くために理解すべき公式も多く、計算問題も多いのでただ暗記するのは得策ではありません。
例えば、異なる粒子線の衝突阻止能、飛程を比較するような問題があります。
この問題では粒子線の種類に加えて、速度が与えられる場合とエネルギーが与えられる場合があります。
このため衝突阻止能で2通り、飛程も2通りの式を用いる必要があります。
しかし、それぞれの式のつながり・意味を理解してしまえば暗記すべき式はたった1つになります!
物理学は特にこういった問題が多いのでしっかりと流れを理解することを意識したら良いと思います。
化学
化学は高校化学ができると割と簡単かと思います。
計算問題など理解が難しい方は高校化学の教科書・参考書またはネットなどで調べる方が得策かと思います。
生物学
生物学は基本的に暗記が多く、点数が上がりやすい分野だと思います。
しかし、簡単だと思って油断すると私のように本番で過去最低点をとってしまう場合もあるので注意しましょう笑
法令
法令こそ正に暗記です!
楽をすることは諦めて暗記するしかありません。
しかしながら、やはり狙われやすいポイントというものはあります。
過去問演習や先程紹介した放射線概論の演習問題を繰り返すことで高得点が期待できます。
物化生
物化生は昨年の試験から物理・化学・生物学それぞれに同様の形式で分配されたような感じらしいので問題自体はほぼ変化していないようです。
物化生と管理計測は他の科目と違い、多肢選択式で文章の穴埋めをしていく形式です。
このため、各項目の「論理の流れ」を理解しておくことが重要となります。
これは放射線概論をある程度通読していれば自然と身につく部分だと思います。
あとはそれぞれの科目の過去問演習をしっかりやれば細かい知識は補填されていくので十分かと思います。
それでも一応過去問演習はした方がいいですよ笑
管理計測
管理計測も昨年から科目名が変わり、多少実用的な問題になっているらしいですが、基本は過去問演習で十分だと思います。
計測学は物理学と同様理解することを重視して勉強することを勧めます。
管理学は基本的には暗記ですが、これもやはりなぜそうなるのかを考えながら勉強すると良いと思います。
こんなとこでしょうか。
結局大したこと書いてない感じもしますが、参考になったら幸いです。
何か質問があればどうぞ!
ではまた!