医用工学特講 第3回:オペアンプの解き方(3)
こんにちは!
今回はオペアンプの解き方の総復習ということで少し複雑なオペアンプ回路の問題を解いていきます。
追加で覚えることは特にないので、途中で分からなくなったら前回、前々回の記事を見直してみてください。
少し複雑ですがあきらめずに読み切ってください笑
問題演習
今回は第66回午後57を扱います。
(第66回診療放射線技師国家試験より引用)
まずは、解き方の確認をしましょう。
(1)各点の電位を書き込む
(2)流れる電流Iを仮定し、式に示す
(3)電流から等式をつくる
(4)必要な値を代入し、求める値を計算する。
よろしいでしょうか? ここで大まかな流れが想像できない場合は第1回の記事をご覧ください。
解き方の確認を終えたところで、早速解いていきます。
この回路は2つのオペアンプ回路が組み合わさっているため、少し複雑です。
前半は加算回路、後半は非反転増幅回路になっており、正直公式を覚えていても少し迷うと思います。
具体的な値は最後に代入したいので、とりあえず下図のように入出力電圧および抵抗を設定します。
準備が整ったところで(1)から始めます。
(1)各点の電位を書き込む
これはほとんど先程設定した電圧(電位)のままなので簡単ですね。
続いて(2)に移ります。
(2)流れる電流Iを仮定し、式に示す
ここは少し電流の方向に気を付けたいですね。
注意すべきは[V]と0[V]の大小です。
0[V] > [V] なので0[V] → [V]に電流を仮定する必要があります。
これに注意して電流を仮定すると以下のようになります。
電流が仮定できたので、それぞれの抵抗について立式していきます。
今回はオペアンプ回路が2つ組み合わさっているので、前半と後半に分けて説明します。
まず、前半の回路です。
抵抗、、について以下のように立式できます。
・・・ ①
・・・ ②
・・・ ③
入力が2つになっていますが、基本的には一般的な反転増幅回路と同じような感じです。
次に後半の回路です。
抵抗、について以下のように立式できます。
・・・ ④
・・・ ⑤
これですべての立式が完了しました。
では、(3)に移りましょう。
(3)電流から等式をつくる
(3)も(2)と同様前半と後半に分けていきます。
前半部分は①、②より、
・・・ ①’
・・・ ②’
となり、①’、②’、③より
・・・ ③’
と求まります。
③’式は最初に言ったように加算回路の式になっています!
後半部分は④、⑤より
・・・ ⑥
⑥式も最初に言ったように非反転増幅回路になっています!
これで後は代入するだけですね。(4)に行きましょう。
(4)必要な値を代入し、求める値を計算する
一気に計算すると計算ミスしそうなので、ここでも前半後半に分けて計算します。
③’より、
③’、⑥より、
となるので、解答は1です。
フゥ…長かったですね笑
今回は少し複雑なので途中式を多めに書いてみました。
これも前回、前々回と同様、一度自分で一から解いてみるとよいです。
今回でオペアンプの解き方は最後になります。
私はオペアンプの問題が出た場合は何となくどういう回路かわかっても一応このような計算をしています。
とりあえず思いついた回路で計算して、余った時間でこの解き方をしてみるというのもいいかもしれませんね。
次回からコンデンサの過渡現象を扱っていきます。
他にやってほしい内容の要望があればコメントにお願いします。
ではまた!